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βD-グルコース(BBボール充填モデル)

beta-D-gulucose1.jpg
D-グルコース(C6H12O6)の環状ピラノースタイプのβアノマーです。この模型のものが、あなたの血液中を流れています。白球は炭素原子C、赤球は酸素原子O、黄球は水素原子Hです。フィッシャーの投影式にしたがって、右から左にかけてC1、C2、C3、C4、C5、C6とつながっています。C1、C2、C3、C4、C5と赤球酸素Oの6つの原子で環状のピラノース環を形成しています。この酸素OはもともとC5についていたD体の水酸基(-OH)でしたが、C1のアルデヒド基と分子内ヘミアセタール結合をして出来た構造になります。

C1炭素原子には、立体的にかさばる水酸基(-OH)とそうでない水素Hが付いています。中央のピラノース環に対して、かさばる水酸基(-OH)は横方向(赤道方向、エクワトリアル)に伸びています。そのためβ型(βアノマー)と呼ばれます。もし、この水酸基(-OH)が、ピラノース環に対して縦に垂直方向(軸方向、アキシャル)についていたとすると、これをα型(αアノマー)と定義します。軸方向にかさばる官能基がつくと立体障害が大きくなりそれだけ不安定になるといわれています。したがって、D-グルコースの場合、C1、C2、C3、C4につく水酸基(-OH)4つと、C5につくC6のーCH2OH基がすべて立体障害の少ない赤道方法に伸びているβ体がもっとも安定な構造であるといえます。
 βD-グルコースを上から眺めると、なんとなく銀河の渦巻き構造に似ているような気が私にはします。みなさんはどうでしょうか?

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